企業も“恋愛・婚活支援”の時代。神戸の仲人が見た「人がつなぐご縁」の価値
先日、新聞で「三菱UFJ銀行やりそなHDが社員向けに恋愛マッチングアプリを導入」という記事を見かけました。
企業が社員の恋愛や結婚を“支援”する時代になったのです。
アプリを通じて社員の出会いの機会を広げ、定着率や幸福度の向上にもつなげる——。
かつてはプライベートの領域と思われていた「恋愛」や「結婚」が、今や企業の福利厚生の一部として注目されているのです。
実際に、職場恋愛が難しい時代になりました。
リモートワークの普及やハラスメントへの意識の高まりで、かつてのような自然な出会いが減っています。
その結果、20〜30代の独身社員の多くが「出会いの機会そのものがない」と感じている。
企業がそこに踏み込むのは、単なる恋愛支援ではなく、“人と人が安心してつながる環境づくり”の一環なのかもしれません。
神戸・三ノ宮の結婚相談所で感じる「AIでは出せない温度」
私が神戸・三ノ宮で仲人として活動して20年以上になりますが、
今の婚活では「出会いの数」よりも「出会いの質」が求められています。
アプリで数多くの人とマッチングできても、
その一人ひとりと心を通わせることは簡単ではありません。
AIは確かに便利です。
価値観や趣味、年齢、希望条件を分析して、効率的に候補を出してくれます。
でも、そこには“空気”や“表情”といった、人と人との相性を見抜く微妙な感覚がありません。
たとえば、プロフィール上では理想的な相手でも、実際に会うと違和感を覚えることがあります。
逆に、条件が少し違っても、一緒にいると安心できる相手もいる。
この「感覚」こそ、仲人が長年の経験から感じ取っている部分なのです。
“釣書（身上書）”が教えてくれる、人の背景の大切さ
マリッジマネジメントセンターでは、昔ながらの“釣書（身上書）”文化も大切にしています。
釣書とは、本人の学歴や職業だけでなく、家族構成や育った環境などを丁寧に記したもの。
現代では「古い」と思われがちですが、
その人がどんな家庭で育ち、どんな価値観を持っているかを知ることで、
結婚後の生活をイメージしやすくなります。
結婚は、恋愛感情だけで成り立つものではありません。
長い時間を共にする中で、家庭観や人との関わり方が合うかどうかがとても大切です。
アプリでは見えにくい“背景”を知ることができるのが、仲人型相談所の強みです。
「家族を大切にしてきた人は、結婚してからも相手の家族を思いやれる」
そんな人柄が、釣書（身上書）や面談の中から自然と伝わってくるのです。
仲人が見てきた“人が人をつなぐ”ご縁の力
私たち仲人の役割は、単にプロフィールを照らし合わせて紹介することではありません。
「この方なら、あなたの優しさを受け止めてくれるはず」
「この方なら、あなたの頑張りを理解してくれる」
そうした“人の思い”をつなぐことが仕事です。
実際、AIでは出せない結果を生むのも、こうした“人の手”が加わったご縁です。
条件だけを見れば不一致でも、仲人が間に入り、
相手の良さや思いやりを伝えることで交際が深まり、結婚に至るケースは少なくありません。
神戸・三ノ宮という街の温かさもあってか、
「人を信じる婚活」「紹介を通じて出会う安心感」を求めて来られる方が増えています。
デジタルが進む今だからこそ、“人のご縁”が価値になる
企業がAIマッチングを導入し、アプリ婚活が当たり前になった今こそ、
人と人が直接つながる「仲人型」の価値が再評価される時代です。
効率だけを追うのではなく、“信頼のある出会い方”を求める人が確実に増えています。
結婚は、データでは測れない“相性”と“安心感”の積み重ねです。
神戸・三ノ宮の小さな結婚相談所から生まれるご縁にも、
AIにはない温かさと信頼のつながりがあります。
「デジタルも便利。でも、最後に心を動かすのは“人”」
仲人として、私はそう確信しています。
まとめ
AIマッチングや企業の恋愛支援が広がる今だからこそ、
人の目と心でつなぐ“ご縁”の価値が見直されています。
昔ながらの釣書に込められた想い、仲人の経験と直感、
そして神戸という街が持つ温かい人情。
これらが合わさると、画面の中では見えない「本当の出会い」が生まれます。
あなたの結婚も、もしかしたらそんな“人がつないだご縁”から始まるかもしれません。
＜成婚者の声＞
