産業カウンセラー・キャリアカウンセラーとして、キャリアの相談を受ける事もよくあります。
キャリアを考えるときも、また、人ととの出会いの中で大きく変化していきます。
そして、ご縁を考える事もよくあるのです。
婚活とよくにているなあと思います。
明治大学文学部教授 諸富祥彦(もろとみ よしひこ)先生のインタビュー記事が
婚活にも通じることがあるように思います。
◎ オープンマインドな姿勢が
◎ 人生の輝きを決める
ラッキーは偶然ではないという理論です。
偶然をチャンスに変える生き方は必要だと思います。キャリアを自分らしく
開拓していく上で、あまり長期的に細かく計画されたプランに縛られてしまう
と、自分が踊らされてしまいます。自分らしく生きるための計画にするには、
柔軟に生きていく必要があります。
例えば旅行にしても、事細かに計画を立てる人もいれば、一方で、最低限こ
れだけはしたくないと決めて、後はその場の雰囲気で行きたい所ややりたいこ
とを決め、不確定要素を残しておく人がいます。旅を楽しめるのは後者の方だ
と思います。事細かに計画を立てる人はあまり旅を楽しめない。人生という旅
も仕事という旅も、あまり豊かに道を切り開いて行けないでしょう。計画的過
ぎる人は観念的で頭でっかちになりがちです。そうならない生き方が大切です。
例え話として、20年ぶりに中学校の同窓会に行ったとしましょう。あるクラ
スメートの二人は、どちらも同じくらいの才能があって、同じくらいの努力を
しているはずなのに、Aさんはものすごく輝いている。一方Bさんは、今一つ
パッとしない。何の違いがあったのかというと、生き方です。一言で言うとオ
ープンマインドかどうか。開かれた態度ですね。これを持つことができていた
かどうかが、生き方に表れてきます。
◎ あえて決めない態度によって
◎ 幸運とご縁を手にすることができる
人生にはさまざまな偶然の要素があります。クランボルツ博士の著書による
と、アメリカのビジネスで成功した人で、18歳のときに考えた仕事で大成功し
た人はわずか2%だそうです。日本人はもともと計画を立て、努力することが
大事だと考えがちです。しかし、計画に縛られて本当に自分は何をしたいのか、
どこに向かいたいのか、逆にわからなくなってしまっている人が多いのではな
いでしょうか。そのためにオープンマインドの感覚は非常に重要です。
オープンマインドとはundecidedness、決めないという態度です。よく優柔
不断と訳されます。あまりいい意味で使われません。しかし優柔不断であるこ
とはいいことだと僕は思います。「俺は男だから一度決めたことは変えないぞ」
というのは頑固な生き方かもしれないけれども、柔軟性はありません。さまざ
まなチャンスや出会いに開かれた人が幸運の波に乗れるわけです。
恋愛のチャンスに恵まれるのは結婚式の二次会だそうです。ある女性が、友
人である新婦はすごくまじめで頑なな人なので、結婚式に行っても男性側の招
待客もまじめな人たちでいい男はいないに違いないと、二次会は申し込まずに、
別の友達と映画に行く約束をしたとしましょう。
しかし実際結婚式に出てみたら、地味な友達の割には新郎が格好良かった。
その友達もすごくいい感じの人が多い。これは一次会で帰るのはもったいない。
こういうときにどうするか。披露宴の途中に約束した友達に電話して「今日は
体調が悪いから、映画はキャンセルさせて。また今度行こうね」と断って、二
次会に申し込む。これが柔軟性です。
こういう人が、そのときそのときに幸運の神様が自分に囁きかけてくれる、
ラッキーな神様と丁寧に付き合うことができる人です。心を開いて柔軟に波に
乗ることができる人は幸運を手にすることができます。
幸運を手にするためには、いろんな力が必要になってきます。まずプライド
が高過ぎてはだめです。こういう人は人に物を頼めない。
例えば、今は仕事に恵まれないというときに、同窓会に行ってみたとします。
同窓生や恩師に「最近仕事がうまくいかなくて…」と言い出す勇気が持てない
のは、格好悪いところを見せたくないという気持ちが働くからです。
本当に自己肯定感が高くて、本当の意味で自分を受け入れることができてい
る人なら「実は今、困っているんだ」と相談できます。そうなると、友人や恩
師から「こういう話があるけど、お前がやってみないか」という話があるかも
しれない。
声をかけてもらった仕事の内容が、今までしてきた仕事とは違うものだった
とします。ここでも柔軟性が問われます。やったことがないから俺には無理だ
と考えてチャンスを遠ざける人がいます。一方、やったことはないけど、興味
もあるという仕事だったらとりあえずやらせてほしいと答えを出す人もいます。
または、最終的な結論はもう少し考えさせてくださいと、いったん保留し、
とりあえず話をつないでおく柔軟性も必要です。つまり、プランドハップンス
タンスとはご縁を大事にする理論なのです。
ご縁には二つ意味があります。一つは人と人のご縁です。もう一つは、出来
事のご縁です。たまたまネットサーフィンをしていたら、ある興味深い研修の
情報が見つかった。そこで終了後飲み会に行ったら参加者と気が合って仕事を
紹介されたということもあります。ご縁を自分から作り出すことができる人と
いうのは、心が開かれた人なのです。
ロジャーズの自己概念で言うと、僕はこんな人間だということに頑なに捉わ
れない。自己概念が強い人が神経症になっていく。自己概念に捉われ過ぎずに、
俺はこんな人間であるという物語に捉われ過ぎずに心を開いて、どんな人生の
悩みが自分にやってきているのか、どんなご縁や出来事が自分に呼びかけてき
ているのか、絶えず心を開いていくことが大切です。
そして、いろんなチャンスが巡ってきたら、肯定的な態度を取ること。とり
あえずイエス、Say yesです。オープンマインドと柔軟性、プライドが高過ぎ
ない、ご縁を大事にする、肯定的態度の四つを大事にしてください。
◎ ご縁に対する謙虚さを持ち
◎ まずは申し出を引き受けよ
また一例をお話しします。ある機関から僕に、心理学関係の求人の依頼があ
ったとします。一番頑張っていると思っている大学院生のA君に声をかけたら
「いや、僕はまだまだですから」と謙遜してしまった。僕としてはせっかくの
求人をそのままにするのはもったいないから、2番目に頑張っている学生のB
君に声をかけました。するとB君は「僕でよかったらお引き受けします」と乗
ってくれました。
しばらくしてまた次に同じような心理関係の仕事がきたとしましょう。その
ときにA君に声をかけたら「いえ、僕なんかまだ修業中の身ですから…」とさ
らに謙遜する。そうすると仕方がないから3番目に頑張っているC君に声をか
ける。C君は「私でよければ」と言ってくれました。
また次に同様の話が来たら、あまり同じ人から断られ過ぎると振られたよう
な気になって僕も傷つきます。なので、同じ人には2回しか頼まないでしょう。
結局A君とは別のD君に話が行ってしまいました。
このように、人生を過ごしていって10年後、20年後に同窓会をしていったら、
一番幸運の波に乗っているのはB君かC君です。A君は確かにこつこつ努力す
るタイプで能力もないわけではないけれども、ご縁に対する“謙虚さ”がない。
ご縁を大切にする態度というのは、謙虚な心です。せっかく与えられた仕事を
大事にしようという、首を垂れる謙虚さがあればむげにはしないはずです。
「まだまだです」と言っている背景には、いつだって仕事が来るはずだとい
う傲慢さがあります。迷ったらイエスと言うべきです。もし迷った場合は「3
日間くらい、考えさせてもらってもいいですか」と柔軟な態度を取って保留す
るのがいいでしょう。
諸富先生は1992年筑波大学大学院修了、米国トランスパーソナル心理学研究
所客員研究員、千葉大学教育学部助教授を経て、現職に。時代の精神(ニヒリ
ズム)と闘うカウンセラーを標榜し、日本トランスパーソナル学会会長、教師
を支える会代表、日本カウンセリング学会常任理事、日本教育カウンセリング
学会常任理事、日本産業カウンセリング学会理事等々、活発な活動と発言を続
けています
この記事は、キャリアコンサルタント評議会のマガジンの中よりの抜粋です。
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結婚カウンセラー 幸せ仲人 自念真千子 日本産業カウンセラー協会 認定産業カウンセラー